満願寺窯より
陶器と磁器の違い
生活の中で『器』は多くの人にとって必要不可欠です。
器にもいろいろありますが、今回は意外と知らない陶器と磁器の違いを簡単に分かりやすく紹介します。
陶器と磁器で大きく違うのは以下の5つの点です。
1.原材料
2.焼成温度
3.硬度
4.吸水性、透光性
5.成型の自由度
1.原材料
まず、大きく違うのが原材料です。
陶器は陶土と言う粘土(土質)を用いるのに対して、磁器は石を砕いた粉を粘土質にしたも(石質)で成型します。
なので陶器は「土もの」磁器は「石もの」と呼ばれます。僕の作るのは陶器なので、土ものですね。
2.焼成温度
焼成温度も陶器と磁器では異なります。磁器のが100度ほど高い温度で焼成します。
陶器は1200〜1300度。
磁器は1200〜1400度程で焼成します。
磁器の方が陶石で作ってあり、耐火度が高いのが特徴です。
3.硬度
硬度も陶器と磁器では異なります。
磁器のが少し硬く、指で弾いた時に「キンキン」という音がします。
一方陶器は磁器ほど硬くはなく、弾くと「コンコン」という音がします。そのため割れた時の破片も細かくバラバラになりません。
4.吸水性、透光性
陶器は磁器に比べ目が粗いので、多少吸水性があります。
そのため、釉薬を施していない陶器だと、汚れが付着してカビが発生することがあります。
釉薬が表面を滑らかにして吸水性を少なくして、カビなどの発生を防ぐ役目をします。
一方磁器は目が細かいため、ガラスのように吸水性はありません。
また、磁器には透光性があります。ある程度薄く成型してある磁器は光を通します。
陶器は厚さ1ミリ程でやっと光を通します。ですが厚さ1ミリでの成型は不可能に近いので、実質陶器は光を通しません。
磁器と陶器どちらも作られてきた歴史がそれぞれにあります。
扱いは磁器の方が楽ですが、陶器には深い味わいがあります。
それぞれに良いところがあるので、組み合わせて食卓を豊かにしてみてはいかがですか?